Q&A

過払い金返還請求を依頼するための必要書類

2022.08.26
過払い金返還請求

 弁護士に過払い金返還請求を依頼するために、書類など何か絶対に必要なというものは特にありません。契約書やカード、利用明細などが手元にあれば参考になりますが、これらがなければ過払い金返還請求が依頼できないというわけではありません。

  過払い金返還請求を行う際に最も重要な書類は、相手方である貸金業者や信販会社との借り入れと返済などの取引情報が記載されている取引履歴になります。 

 この取引履歴は貸金業者や信販会社の側で管理されているもので、過払い金返還請求の依頼を受けた際には、弁護士はまず相手方に取引履歴の送付を請求します。そのため、取引履歴は過払い金返還請求を依頼される前に、必ずしもご本人で入手しておく必要はありません。

 また、取引履歴を請求する際には、基本的に依頼者の方の氏名・住所・生年月日が必要になりますが、貸金業者や信販会社などを利用していた時の住所と現在の住所が違う場合には、その当時の住所が必要になる場合があります。もし当時の住所を覚えていない場合には、契約書やカード、利用明細等が残っていれば、それには契約番号など当時の情報が記載されていますので、その情報をもとに取引履歴の開示がスムーズに進みます。

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10年以上前から貸金業者と取引をしていますが手元に残っている書類は自動預け払い機の明細票だけです。この場合でも過払いの請求ができますか?

写真とボールペン

自動預け払い機の明細票しかない場合でも、完済してから10年以内であれば過払い金の返還請求は可能です。

 完済してから10年を経過していなければ、原則として貸金業者に対して過払い金返還請求をすることにより、過払い金を取り戻すことができますが、過払い金を取り戻すためには、貸金業者との取引履歴が必要となります。

 取引履歴を取り寄せる際には、開示請求の相手方である貸金業者名を記憶している必要があり、記憶が確かであれば、特に関係書類が必要なわけではありません。この点、貸金業者の名前が記載された自動預け払い機の明細票のようなものがあれば、契約番号などの確認もできますので、その貸金業者と取引があったことが、より確実になります。

 なお、例えば、以前、貸金業者を利用していたときと、現在は住所や名字が異なる場合には、取引履歴の開示の際に当時の情報が必要となり、その確認のため、取引履歴の開示までに時間がかかってしまう場合があります。この点につきましても、自動預け払い機の明細票があれば、記載された契約番号などをもとに、貸金業者からの取引履歴の開示をスムーズに受けることが可能になり、取引履歴の開示まで円滑に進めることにつながるのです。

 そして、取引履歴を取り寄せた後、利息制限法所定の制限利率に従って引き直し計算をし、貸金業者に対して、過払い金返還請求をし、過払い金を取り戻す手続を進めます。

 なお、完済してから10年以上経っている場合には,仮に過払い金が発生していても、時効により過払い請求できない可能性が非常に高いので、注意が必要です。

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借金の契約書を紛失したのですが請求できますか?

郵便物と写真

借金の契約書を紛失していても、過払い金返還請求をすることができます

過払い金は、グレーゾーン金利を長い間払い続けていると発生します。つまり、最近の新しい借金ではなく、古い借金ほど過払いが発生している可能性が高く、その金額は大きくなります。しかし、そのような古い借金の契約書をきちんと保存していない人も少なくありません。複数の貸金業者から借金をしている人は、その中のいずれかの契約書が見当たらないということもあるでしょう。

過払い金返還請求は、借金のすべての取引履歴を見直す作業をして、どれだけ金利を払いすぎていたかを計算するので、契約書があればもちろん役に立ちますが、見つからない場合は弁護士と面談して記憶にある契約時期や借金の額について説明してください

弁護士は、依頼者と面談をして借金の状況を把握した上で、業者に全取引履歴の開示を求めた上で正確な過払いの金額を算出します。ですので、契約書がないからといって過払金の返還を求めることが出来ないというわけではありません。契約書を紛失してしまったからといって諦めず、一度弁護士に相談してみるのが良いでしょう。

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